水子地蔵様のお姿
圓應寺本堂の二階の納骨堂中央に「水子地蔵尊」が安置されています。
剃髪した僧侶の姿で、袈裟をまとい、左手に如意宝珠(にょいほうじゅ)、右手に錫杖(しゃくじょう)を持ち、子どもを抱き護る大慈悲の地蔵菩薩です。
水子のみならずあらゆる子供たちを救うと言われ、仏教の菩薩様です。
賽の河原のお地蔵さま
錫杖を持った水子地蔵は、賽の河原で石を積んでいる子どもたちを救いにきた地蔵菩薩です。
錫杖の音を出し赤ちゃんが迷わないように、水子の魂を救ってくれる働きをするのです。
親よりも早くに命を落として悲しませたとの罪の重さから、子どもたちは親を思い一つひとつ石を積んでいます。
しかし、賽の河原にいる鬼は夕暮れ時に現れて子供たちが積んだ石塔を金棒で壊してしまうのです。
その姿を見たお地蔵さまは、水子たちを鬼から救いました。
水子たちは地蔵菩薩に守られて、安心して暮らせるようになります。
安産ご守護もいたします
錫杖と一緒に子どもを抱いている水子地蔵もそうですが、赤ちゃんを抱いている地蔵は子安地蔵(こやすじぞう)とも呼ばれ、妊婦の安産を守護してくださる地蔵尊で、安産以外にも子授けなど妊娠の計らいをしてくれる存在なので妊娠を祈願するためにお参りを行います。
また、生まれた子供が健やかに成長するのをお守りくださる地蔵でもあり、妊婦は安定期に入った戌の日にお参りをします。
水子供養は赤ちゃんとのたましいの対話
自分で手を合わせて水子の救済を祈ることは功徳の中の大功徳です。水子地蔵尊の守護を頂戴し、水子地蔵の御前で思いを赤ちゃんにお話をしてあげてみてください。
目には見えず、声は返ってこなくてもきちんとその思いは伝わって、赤ちゃんは喜んでいます。
本堂入口のエレベーターでおあがりください。
お唱えいたしましょう
①賽の河原地蔵和讃
これは此の世の事ならず 死出の山路の裾野なる
賽の河原の物語 聞くにつけても憐れなり。
二つや三つや四つ五つ 十にも足らぬ嬰児が
賽の河原に集まりて 父戀し母戀し 戀し戀しと泣く聲は
現世の聲とは事變り 悲しさ骨身を徹す也。
彼の嬰児の所作として 河原の石を取り集め これにて回向の塔を組む。
一重組んでは父の為 二重組んでは母の為 三重組んでは古里の
兄弟我身と回向して 晝は一人で遊べ共 日も入相の其頃は
地獄の鬼が現れて やれ汝等は何をする 娑婆に残りし父母は
追善作善の勤めなく ただ明け暮れの歎きには 惨や悲しや不憫やと
親の歎きは汝等が 苦患を受くる種となる。
我を恨むる事勿れと 黒鐵の棒をのべ 積みたる塔を押し崩す。
其時能化の地蔵尊 動ぎ出させ給ひつつ 汝等命短くて 冥途の旅に来る也。
娑婆と冥途は程遠し 我を冥途の父母と 思ふて明け暮れ頼めよと
幼きものと御衣の 裳裾の内に搔き入れて 愍れみ給ふぞ有難き。
未だ歩まぬ嬰児を 錫杖の柄に取り附かせ 忍辱慈悲の御膚に
抱きかかへて撫で擦り 憐み給ふぞ有難き。
②ご宝号
オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ
③南無地蔵願王尊(三唱)