弁財尊天像 空海作

奉納曲による弁財天さまのご紹介

例年7月7日に厳修いたします「弁財天大祭」のオリジナル奉納祭文曲をご覧になりますと弁財尊天の縁起がわかると思います。どうぞご覧になってください。

⑴ 四季折々、弁財天の化現した神仏の一番の歌詞

起こりては 流れゆく 清浄なる河サラスバティー
舞い降り肥沃な大地生み出だす 土地豊穣の福徳神
秋には実りし宝珠 黄金の稲穂
七福神の紅一点 一切衆生に福徳の流れを起こす 財福の女神「べざいてんさま」

妙音を発するを本性とし、その水音(みずのね)を妙なる音に例えて 琵琶を持つお姿で
音色を楽しむを司る神 それは 芸能開花の護り神
春には河水の能く流れて 常にささやく音を纏わん
妙音菩薩か、あるいは美音天か、妙なる歌 うたい流す神「べざいてんさま」

天の安河の誓約に因りて 砂子金銀
生み出されし三女神のその一柱 市杵嶋姫命
夏にはさらさら宙に架かる虹龍ぞ 玄界灘の風受けん  
七夕の縁 織姫 荒波に路流す神「べざいてんさま」

清らなるものも けがれしものも 水の流れにすべてをつつみ
ようよう流れ 大海原 龍宮の城へと続くなり
冬には雪を散らすとも 川は凍てるを知らず、潤いは枯れるを知らず
乙姫の如く 龍王、龍神遣わし 棚引き流す女神「べざいてんさま」

流れを越えて、化現して、 南無弁財尊天「おん そらそばていえい そわか」
時を越えて、謝徳して、 南無弁財尊天「おん うがじゃやけるべい そわかぁ」

⑵ 弁財天のお姿とその縁起の二番の歌詞

すべてのものを 洗いゆく 宇賀弁財天のお姿は
一面八臂の頭の上の鳥居には 人の頭を持つ白き蛇 宇賀神
その功徳、すみやかにきて 弁才、無尽の智恵、延命財宝招福なり
病苦、疾病、遠ざけ清めん 衆生救済の験あり「べざいてんさま」

八臂はあるいは八大龍王 宝珠・剣・弓矢・金剛杵 八つの武器を持たるお姿なり
なおそのご利益は 悪夢・邪気・呪術・鬼神 衆生を惑わす一切を祓い除け
戦勝御利益 闘争調伏せん 鎮護国家の戦神ならん
日ノ本の安寧護りて清め「和」をもたらさん「べざいてんさま」

高野を開山する前に 奈良天川にて修行せしは、かの弘法大師空海さま 
時下れりて 天長七年七月七日 ここは江ノ島 岩屋に籠りしお大師さまが
辯天法秘密護摩一万座の行を修す 護摩の灰にて お大師さまの手形と 
ともに練りあげし形像の その清らなるご面相 仏法守護の神仏「べざいてんさま」

しずくとなりて 雨沁み入り大河となりて 天と大地の
すべてを巡り一切を清め 大海原にて 一となる
仏縁極まれり 出世大黒天さまは 玄海の波受けながらお大師さまと唐土に渡りし 
伝教大師一刀三礼 共にならびて 祭祀さる宝珠「べざいてんさま」

流れを越えて、化現して、 南無弁財尊天「おん そらそばていえい そわか」
時を越えて、謝徳して、 南無弁財尊天「おん うがじゃやけるべい そわかぁ」

⑶ 圓應寺の寺宝としての歴伝の三番の歌詞

降り注いでは はぐくみゆく 江戸城にも祀られし国家鎮護の神
天下を治めし 安国殿 弁財天さまを篤く信奉し 不忍池にて茶を立てん
その功徳 戦国修羅の世「厭離穢土」を「欣求浄土」泰平に
東照大権現さまの願いも叶えん「べざいてんさま」

家康公と同じく 信心堅固に阿弥陀如来を奉る 官兵衛内室光姫さまは
浄土の梵刹圓應寺にも 寺の鎮守に 弁財天(べざいてん)・大黒天を左右に配し
黒田の女人達をも宝珠受くる もろともに感謝の絶えぬことを願ごふなり
一族、藩をも豊かに 福徳円満、家運長久を授け守護し給う「べざいてんさまぁ」

頭山峰尾が奉納せし 写経、経典十巻に 家族を守りし愛を見ん 
維時昭和二十年 大炎上の簀子町 かの福岡大空襲 多くの悲しみ起こりなん
焼野が原に奇跡あり、羅漢槇の龍神が弁財天堂を護り抜く
されば これを悲しみ給うて 戦後の希望とならん「べざいてんさま」

はぐくみ育て 潤ひ生じ 楽を愛で いのちの母の 大海原で 縁を結う
今、圓應寺御宝前 七月、日は七日の縁日に 善男善女が集いて念じ奉る
永久巡りて すべてをつつむその功徳 悉く成就すること疑いなし「べざいてんさま」

流れを越えて、恩に報いて、 南無弁財尊天「おん そらそばていえい そわか」
時を越えて、謝徳して、 南無弁財尊天「おん うがじゃやけるべい そわかぁ」

ご神体について -像容-

灰像/ 平安時代(830)

真言宗の開祖である弘法大師(空海)の作といわれ、護摩の灰で練った像です。
大黒天を加え18体の童子らの中に 金光明最勝王経に説かれている一面八臂の宇賀弁財天が彫り込まれており、 宝珠・宝棒・宝箭(矢)・宝刀・宝弓などをお持ちです。
像の裏面には空海の掌形が残っています。
堂祠とともに空襲から奇跡的にも焼失を免れました。毎年七月七日に大祭が行われます。

背面の左手の掌形 の文字

    天長七年七月七日   (拇指)
  於江ノ島州弁辯天法  (人差し指)
  秘密護摩       (中指)    空海 (中指下、掌の中心)
  一万座修行      (薬指)
  以其灰此形像ヲ作者也 (小指)

弁財天大祭

弁財天大祭 Sp-event
圓應寺(円応寺)副住職三木英信が圓應寺の催事弁財天大祭をご案内いたします。7月7日七夕の日、圓應寺では女神「弁財尊天」のお祭りです。黒田家と徳川宗家との深いつながりで黒田家歴代の姫君や家臣の妻たちは弁財天を信仰していました。福岡大空襲をくぐ...

お唱えいたしましょう

①ご宝号
  オン ソラソバテイエイ ソワカ
  オン ウガジャヤケルベイ ソワカ

②南無弁財尊天(十回)

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