勢至菩薩

智恵の菩薩は怪力 勢至菩薩

勢至菩薩とは、智慧の光で生あるものはすべて救済し、菩提心の種を与えるという菩薩です。
『観無量寿経』の中には「知恵を持って遍く一切を照らし、三途を離れしめて、無上の力を得せしむ故、大勢至と名づく」とあり、火途・血途・刀途の三途、迷いと戦いの世界の苦しみから知恵を持って救い、その亡者を仏道に引き入れ、正しい行いをさせる菩薩です。
大勢至菩薩とも言われ、力が強く、足を踏み下ろすと大地が揺れるという怪力の持ち主です。
偉大な勢力を持つことから、大勢至の名がついたと言われています午年生まれの人の守り神でもあります。

阿弥陀如来の脇士

観音菩薩とともに、阿弥陀仏の脇侍として知られています。阿弥陀三尊の右脇侍となります。
阿弥陀三尊では、観音菩薩は阿弥陀仏の慈悲を、勢至菩薩は知恵を表すことでも知られています。
薬師如来本願功徳経では、八大菩薩の一尊とあります。

本尊 阿弥陀如来像
今回の圓應寺副住職三木英信が紹介する仏像の世界は浄土宗の本尊でもある【本尊阿弥陀如来像】をご紹介致しております。黒田官兵衛寄進の快慶作阿弥陀如来像は空襲で灰燼となりました。福岡圓應寺(円応寺)公式サイト『圓應寺の世界 副住職のススメ』より。
観世音菩薩
今回の圓應寺副住職三木英信が紹介する仏像の世界は弥陀三尊のおひとり慈悲の【観世音菩薩】をご紹介致しております。福岡圓應寺(円応寺)公式サイト『圓應寺の世界 副住職のススメ』より。

お勢至さまのお姿

日本では、勢至菩薩が単独で信仰の対象となることはきわめてまれで、多くは阿弥陀三尊の脇侍として造像されています。
観音菩薩に似た姿を持ちますが、観音菩薩が宝冠の前面に化仏を表すのと対照的に、勢至菩薩の場合は宝瓶を頭の上に持ち、水瓶があるのが特徴です。
水瓶には知恵の水が入っています。
来迎形式の阿弥陀三尊では、観音菩薩が蓮台を捧げ持つのに対して、勢至菩薩は合掌する姿です。

浄土宗における法然信仰

法然上人を勢至菩薩の化身とする説が中世からありました。
法然上人は幼名を勢至丸といい、「智慧第一の法然坊」といわれ、生前から智慧の化身として人々にあがめられていました。
法然上人のご入滅後、弟子の親鸞上人は「大勢至菩薩和讃」を詠み、末尾に「大勢至菩薩は源空上人(法然)の御本地である」と述べています。
また親鸞上人の妻恵信尼が霊夢を見、「光ばかりの御仏」を見たところ、「あれは勢至菩薩で法然のことだ」という声が聞こえたという話が「恵信尼消息」にあります。京都知恩院には勢至堂が建てられ、本尊として勢至菩薩像が安置されています。
これは法然上人の本地であるからです。この像は来迎阿弥陀三尊の脇侍としての勢至菩薩と同様、合掌形に表されています。

浄土宗について|法然上人のみ教え
法然上人がお説きのみ教えは、厳しい修行を経た者や財力のある者だけが救われるという教えが主流であった当時の仏教諸宗とは全く違ったものでした。『観無量寿経』の一節「光明遍照 十方世界 念仏衆生 摂取不捨」のこころを説き、私たちにお示しくだ...

衆生を救う智恵

勢至菩薩の知恵の光は、地獄道や餓鬼道へ人々が落ちないように、すべてを照らして救ってくれるといわれています。
勢至菩薩の知恵は、文殊菩薩の釈迦の知恵、虚空蔵菩薩の記憶の知恵とは異なり、人を救う強さの知恵を表しているといいます。
大阿弥陀仏経では、阿弥陀仏が入滅すると、観世音菩薩が如来になって跡を継ぎ、この観世音菩薩が入滅した際には、勢至菩薩が後を継ぐとなっています。

お唱えいたしましょう

①仏説首楞厳経大勢至菩薩念仏円通章(しゅりょうごんきょうえんづうしょう) 
  大勢至法王子(だいせいしほうおうじ)与其同倫(よごどうりん) 
  五十二菩薩(ごじゅうにぼさつ)   即従座起(そくじゅうざき) 
  頂礼仏足(ちょうらいぶっそく)   而白仏言(にびゃくぶつごん) 
  我憶往昔(がおくおうじゃく)    恒河沙劫(ごうがしゃこう) 
  有仏出世(うぶっしゅっせ)     名無量光(みょうむりょうこう)
  十二如来(じゅうににょらい)    相継一劫(そうけいいっこう) 
  其最後仏(ごさいごぶつ)      名超日月光 (みょうちょうにちがっこう) 
  彼仏教我(ひぶっきょうが)     念仏三昧(ねんぶつざんまい) 
  譬如有人(ひにょうにん)      一専為憶(いっせんいおく) 
  一人専忘(いちにんせんもう)    如是二人(にょぜににん) 
  若逢不逢(にゃくぶふぶ)      或見非見(わっけんひけん) 
  二人相憶(ににんそうおく)     二憶念深(におくねんじん) 
  如是乃至(にょぜないし)      従生至生(じゅうしょうししょう) 
  同於形影(どうおぎょうよう)    不相乖異(ふそうけい) 
  十方如来(じっぽうにょらい)    憐念衆生(れんねんしゅじょう) 
  如母憶子(にょもおくし)      若子逃逝(にゃくしじょうぜい) 
  雖憶何為(すいおくがい)      子若憶母(しにゃくおくも) 
  如母憶時(にょもおくじ)      母子歴生(もしりゃくしょう) 
  不相違遠(ふそういおん)      若衆生心(にゃくしゅじょうしん) 
  憶仏念仏(おくぶつねんぶつ)    現前当来(げんぜんとうらい) 
  必定見仏(ひつじょうけんぶつ)   去仏不遠(こぶつふおん) 
  不假方便(ふけほうべん)      自得心開(じとくしんかい) 
  如染香人(にょぜんこうにん)    身有香気(しんうこうけ) 
  此則名曰(しそくみょうわつ)    香光荘厳(こうこうしょうごん)

②勢至回向文
  我本因地(がほんいんじ)    以念仏心(いねんぶつしん) 
  入無生忍(にゅうむしょうにん) 今於此界(こんのしかい) 
  攝念仏人(しょうねんぶつにん) 帰於浄土(きおじょうど)

③ご真言(宝号)
  オン サンザンザン サク ソワカ

④南無大勢至菩薩(三唱)

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