圓應寺では、7月13日から15日まで本堂に地獄極楽絵図の軸16巻を掛け奉って、ご参詣者の皆さまにはご拝観できるようにいたしております。
この地獄極楽絵図には、臨終を迎えて、七日七日に裁かれ、遅くとも四十九日にはどの世界に生まれ変わるかの六道輪廻の様子や地獄、極楽の世界が描かれています。
地獄極楽絵図巻一
息をひきとり、冥途へ旅立とうとしているところが描かれています。
冥途への道はとても暗く、前も後ろもわかりません。
地獄の使者の、牛頭・馬頭が荷車を引きながら、死者の霊を迎えにきています。
しかし、子どもたちは何もわからずに無邪気に遊んでいます。
僧侶が読経している中の図ではその右手に透明感のある足がない霊魂が抜け出しつつあります。
地獄極楽絵図巻二
下の図は死者を土葬するまえにする野辺送りの儀式を行っている模様です。
そして中の図は、死んだあとその遺体がどのように変わり果てるのかを表わした九相観が描かれています。
九相観
1 死を迎える
2 身体が膨れ上がり、手足が固くなる
3 腐敗して膿が出てきて悪臭を放つ
4 ハエやウジがたかる
5 鳥や犬が肉を食べる
6 わずかに残った肉もやがて土に溶ける
7 骨だけが残る
8 その骨も雨風でバラバラになる
9 全部埋もれて土へと還る
地獄極楽絵図巻三
死者は七日毎に裁判を受けます。
初七日に秦広王(仏では不動王明)に裁かれます。
裁きにあった亡者たちが地獄の鬼に切られたり、粉々にされています。
しかし、地獄では風に吹かれるとまた、たちまち生き返り、そうして何回も責め苦に合い続けるのです。
上の図は、罪が決まらない者たちです。
彼らは三途の川を渡って先に進みますが、罪の深い者ほど川の深いところを渡る破目になります。
そして渡り終えたところで奪衣婆に着物をはぎ取られてしまいます。
地獄極楽絵図巻四
「一重組んでは父の為 二重組んでは母の為 ……」賽の河原では、親よりも先に死んだ子どもたちが、父母を恋しがり、すすり泣きながら石を積み上げています。
するとどこからともなく鬼が現れて石の塔を黒鉄の棒で打ち壊してしまい、いつになっても石塔は積み上がり完成することはできません。
慈悲深い地蔵菩薩さまが子どもたちをあたたかく見守っています。