相談内容
《三世代同居の家庭で子どもの躾をしていると度々、祖父母が出てきて孫をかばったりする事があります。時に、教育上ちゃんと躾をしたい時にも庇ってきます。親としての経験がある祖父母を尊敬はしていますが、親としての躾の仕方で間違いから学ぶものもあると思うので、あまり出てきて欲しくない時があります。祖父母に全く出てきて欲しくないという事ではありませんが、私達親としての権利みたいなものをもう少し尊重して欲しい時があります。どう思われますか?》
孫は可愛いんです
親の愛情と祖父母の愛情は似て非なるもの。
祖父母は言ってしまえば孫の“絶対の味方”です。
子どもへのおせっかいを「子煩悩」と言いますね。では、祖父母の「煩悩」なのかというと、、、見返りを一切求めていないお節介なら、仏教徒の理想「慈悲」だと思いますよ。
老婆心という言葉
「老婆心」という言葉があります。
もともとは「老婆親切」という仏教用語で、「老婆のような愛、誰にでも親切」を意味する言葉で、皆そのような心を持ちなさいという意味なのだそうです。
やはり「慈悲」と受け止めるのがいいですね。
子育て効果①
実は、親以外にも愛情とぬくもりを与えてくれる存在がいるという事実は、子どもの情緒を安定させ、自己肯定感を育んでくれます。
さらに、祖父母と一緒に過ごす時間が多いほど、子どもには自己肯定感にプラスして、多様性を受け入れる心も育まれていくといわれています。
子育て効果②
小さなうちから先祖に手を合わせる姿や、祖父母を大切にする姿を見せるのはいい効果です。祖父母がいないとなかなか見せられません。
【五養の教え】
五養という言葉をご存知でしょうか。
一、 栄養
栄養とは、体の糧となる食べ物、飲み物をいただくことです。
季節に関係なくなんでもある時代だからと好きなものばかり食べたり、また暴飲暴食はさけたいものです。
二、 休養
休養とは、働きづめにしないで時々は心身ともに休みを取ることです。普段とは違う異質な時間を持って気分転換を図る。たとえばごろ寝を楽しんだり、散歩に出かけたりなどもよいかと思います。貼りっぱなしの糸はすぐに切れてしまいがちです。
三、 修(教)養
修養とは、人格を磨き徳を高めることです。読書をしたり、また講演を聴き、運動をして心身を引き締める学びの時間を持つことが大切です。
四、 孝養
孝養とは、親の恩に報い、人々に感謝の心を捧げることです。
両親がともに亡くなられていて、文字通りの孝養はできなくとも、せめて他人さまに喜んでいただけることを少しでも行う。
「お陰さま」に徹して「共生」を心がけることは、孝養の一つとなるのです。
五、 供養
供養とは、亡くなった人々に真心を捧げて冥福を祈ることです。
この信仰が一番大切であり、これを抜きにしては、本当の健全な人生を送れないことを忘れてはいけません。
毎日、お供養することで、心が休まることがあるかと思います。「おかげさまで」生かされている自分というものを感じることができるかと思います。
また、亡くなった人だけでなく、生きている人々に、また社会にもてる力を奉仕することで、健全な社会ができてくるのです。
では、「養」とは何でしょう。「気を配ること」をいいます。
この「五養」をこころがけ、自分も社会もすべてが健やかに正しく明るくつとめていくことが、「子育て」「親育て」「祖父母育て」ではないかと思います。
祖父母の干渉をうっとおしく思うパパママに限って、「自分たちはこういう子育てをしたい」「これだけは嫌だ」という子育ての方針を、祖父母に伝えていないケースが多いのだとか。
みずくさがらずに子育て方針の作戦会議を持ちましょう。
冷蔵庫に約束事を書いて貼るとかいう「可視化」もいいかも知れませんね。
圓應寺 三木副住職は子育て、応援しています。