不殺生戒- 生き物を故意に殺してはならない。
不偸盗戒- 他人のものを故意に盗んではいけない。
不邪婬戒- 不道徳な性行為を行ってはならない。
不妄語戒- 嘘をついてはいけない。
不飲酒戒- 酒などを飲んではいけない。
『戒』というのは道徳規範で自発的に規律を守ろうとする心のはたらきを指します。
『律』というのは規則法律で他律的な規則を指します。
不飲酒戒とはお酒を飲んではいけないという『戒』ですが、もっと言及すれば、お酒を飲むことで崩れてはいけないということです。
「酒は人を酔わせるものであるから」飲酒の過失「やっちゃた!」を戒めるものです。
弟子 莎伽陀(しゃがた)のお話
さて、お釈迦様に、莎伽陀(しゃがた)という優れた弟子がいました。
悪龍から村人の難儀を救わんと莎伽陀は神通力を駆使して征服し、悪龍はついに仏弟子にまでなったのです。国中に莎伽陀の雷名がとどろいたのは言うまでもありません。
ところがある時、信者から酒を馳走になり、ついつい莎伽陀(しゃがた)は飲みすぎました。夜更けの帰途で道端に倒れ、汚物を吐くやら苦しむやらで、大醜態をさらしました。
直ちに弟子たちを一堂に集められたお釈迦様は、こう諭されています。
「皆の者、莎伽陀を見よ。彼はかの悪龍を征服したほどの智者ではあるが、酒に征服されてかくのごとき始末である。聖者ですら酒を飲んではかくのごとし。いわんや、凡人は厳に身を慎まねばならぬ。今後、酒を飲むことを禁ずる」
飲んでいたつもりが、いつの間にか飲まれている。そこに酒の怖さがあるのですね。
「酒は飲んでも飲まれるな」と言われます。
酒に飲まれた苦い過去はありますか?
酒に手を出して道を誤らぬように、日頃からこのエピソードを思い出して自戒したいですね。
中々帰宅しない理由
(1)家に帰りたくない
「家に自分の居場所がない」「妻や家族と顔を合わせるのが苦痛」と感じている男性に多いのが、家に帰りたくない理由から朝まで外で過ごすケースです。あなたは家の中で夫をのけ者にしたり、ケンカになると一方的に相手を責めたりしていませんか? 帰る場所に安らぎがない場合、男性は回避行動をとる傾向があります。
(2)付き合いで断れなくて
非常に多いのが、「付き合い」による朝帰りです。男性は、女性よりも上下関係や仕事の付き合いを重視する傾向にあります。そのため、上司の誘いや取引先の誘いを断れず、気がついたら終電がなくなるまで飲んでいた、ということもしばしば……。本人は帰りたいと思っていても、仕事上帰れないケースはとても多いでしょう。
(3)楽しさを優先してしまう性格
家族が家で待っていても、飲みだしたら朝まで止まらないなど、楽しいことを優先してしまう性格の男性もいます。パートナーがこういうタイプの場合、なかなか朝帰りをやめさせるのは難しいでしょう。また、基本的に男性は、熱中しているときに途中で切り上げることが苦手です。パートナーが楽しさに我を忘れるタイプじゃなかったとしても、そのことは覚えておきましょう。
(4)ストレスがたまっている
ストレスを発散するために、羽目を外して朝まで遊んでしまう……というケースもあります。このケースは、たくさんお酒を飲んで朝まで遊ぶことがストレス解消だ、という男性に多いパターンです。
(5)浮気している
朝帰りする男性の中には、「浮気」している人も少なくありません。浮気相手との甘いひとときに、つい朝まで過ごしてしまう……。そんなパターンもあります。
しかしながら、言いわけが本当であれ嘘であれ、「家に帰りたい」という気持ちがあればどうにかして帰ろうとするのが心理です。
しかし、たまにならまだしも頻繁に朝帰りをするようであれば、旦那は「妻のいる家に帰りたくない」と感じている可能性もあるかもしれません。
なかなか他人は変えられませんから自分が今までとは違った対応をするのがいいでしょう。
もしも妻であるあなたが「旦那に朝帰りをやめて欲しい」と思っているのであれば、旦那にとって居心地のよい空間をどれだけ作り上げられるかにかかっていると言っても過言ではありません。
美味しい料理があって、仕事をねぎらってくれる優しい妻がいて、ふかふかで寝心地のよい布団がある。まずはそんな家庭環境づくりを目指しましょう。
旦那が朝帰りしたときに妻がとるべきたったひとつの行動
『大無量寿経』というお経の中に、「和顔愛語」(わげんあいご)という言葉があります。
「和顔愛語」とは、和やかな笑顔と思いやりのある話し方で人に接することです。
この言葉は、さらにこう続きます。
「先意承問」(せんいじょうもん)。
これは相手の気持ちを先に察して、その望みを受け取り、自分が満たしてあげるという意味です。
つまり、「和顔愛語 先意承問」とは、和やかな顔と思いやりの言葉で人に接して相手の気持ちをいたわり、先に相手の気持ちを察して、相手のために何ができるか自分自身に問いただすということになります。
辛いときや嫌なことがあったとき、愚痴をこぼしたくなるとき、そんなときこそ、まず自分から笑顔と優しい言葉で周りの人に接する姿勢、それが「和顔愛語」です。
しかし、自分自身が「和顔愛語」を実践するとなると、簡単ではありません。
気分が悪いときはなかなか笑顔になれないものです。
愛情を感じていない相手に、思いやりのあるやさしい言葉をかけるのも、抵抗があるものです。
そこで大切なのが「先意承問」、つまり「相手のことを先に考えて、与えること」です。
笑顔になってほしいのならば、まずは相手に笑顔を見せることです。
優しい言葉をかけてほしいのならば、まずは相手に優しい言葉をかけてあげることです。
幸せを求めるならば、まずは相手に幸せを与えることです。
自分から先に相手の気持ちを重んじて、相手の幸せを考えるのです。
大切なのは、思いやりです。
その心を仏教では「慈悲」(じひ)といいます。
私たちが穏やかに生きるためには、みんなが「慈悲」の心を持つことが大切です。
自分も相手も、ともに思いやることを心がけていれば、心がまぁるく穏やかになります。
怒らずに「心配していた」ことを伝える
「無事に帰ってきてくれてよかった」ということを嫌味なく伝えましょう。本心は腹わたが煮えくりかえりそうでも、それを顔や口に出さず、意識して笑顔を作るのです。
そうすることで、夫婦喧嘩に発展して離婚する・しないといった話題が出てきてしまうことも防げ、旦那にとって「帰ってきやすい家」を作ることができます。
お伝えしたように、「ギスギスしている妻が待つ家には帰りたくない」と感じている旦那が多いのは事実ですから、キツく問い詰めてしまうのは逆効果ですから気をつけてくださいね。
奥の手 「不審者につきまとわれていて怖かった」と伝えてみる
これは奥の手になりますが、「あなたが帰ってこない間、実は家の近くに変な人がいて怖かった…何度も呼び鈴を鳴らされたし…」というような作り話をするのも有効です。
これにより旦那は責任を感じ、怖い思いをさせた妻を思いやるとともに、今後朝帰りは控えようという気持ちも持ってくれるはずです。
逆効果な対応
☆相手を責める&問い詰める
朝帰りされたときの効果的な対応のひとつに、「笑顔で迎える」を挙げましたが、その間逆の行為となるため、相手を責めたり問い詰めるのはやめましょう。男性がもっと帰りづらい状況を作ってしまいます。
☆仕事後の飲みを禁止する
仕事後に飲みに行くことは、仕事の付き合いだろうが、ストレス発散のためだろうが、どちらも「必要」なことです。それを禁止したり回数を減らすように相手をコントロールするのはやめましょう。かえって相手の反発や怒りを買ってしまいます。
今日のひとこと「誤解されんように五戒を果たそう」「和顔愛語 先意承問」で ぬくぬく環境を作ろう