圓應寺では、7月13日から15日まで本堂に地獄極楽絵図の軸16巻を掛け奉って、ご参詣者の皆さまにはご拝観できるようにいたしております。
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地獄極楽絵図巻九
六七日には、弥勒菩薩たる変成王によって裁かれます。赤鬼・青鬼・白鬼が肉団子を食べています。その中には三つ目の鬼がいます。その目は何でも見破れることができます。
死者は四十九日(忌中)の間、毎日それぞれ長さ一尺の四十九本の釘を打たれ、その釘を抜き、その痛みを除くには、合わせて四十九の餅を死者に奉納し、僧侶を招き読経を頂ければ、釘は餅にあたって痛みが無く、すべての釘が抜けて救われ、無事に浄土に生まれ変わると説かれています。
図の下には、亡者が釘打ちの罰から逃れるための餅に釘が打たれています。
現在でも五七日や満中陰の法要の際、四十九から地域によっては五十の餅を供物としておそなえします。それは、この餅のお供えが亡者の釘打ちの刑を引き受けて故人の痛みを除いてくれるからだそうです。
上の図には、十六羅漢が描かれており、「師に学ぶ」ところを表わしています。
地獄極楽絵図巻十
七七日の四十九日満中陰には、泰山王である薬師如来が最後の審判を下します。
これにより、六つの世界のどこに行くのかが決まります。この巻十にも地獄界以外の五つの世界が描かれています。
餓鬼界・畜生界・修羅界・人界・天上があります。
餓鬼界ではご飯を食べようとすると炎がでて忽ちに炭となり食べることができません。それでも無理やり口の中に入れたかと思うと、食道は糸の細さになり、飲み込むことができないのです。
畜生は人間以外の動物です。修羅は争いごとばかりしている世界です。人界は人の世で、天上は神仏の世界です。
地獄極楽絵図巻十一
四十九日の泰山王のところで、どの世界に行くかがまだ決まらなかった者は、百か日に八番目の十王である平等王、観世音菩薩に裁かれます。
地獄も百日も経つと、どことなくのんびりし始めて、鬼たちが相撲を楽しんでいたりします。
残された遺族が法要を行うことにより、亡者と遺族の来世での安楽を願う事ができます。
百ケ日の法要を行う遺族は、一日中、貪りの心を起こさなければ、亡者も自らも来世に天上界に行くことができるのだとか。
地獄極楽絵図巻十二
一周忌には、都市王である勢至菩薩に裁きを受けます。
一周忌の法要をすると、亡者は藪入りの日を迎えられます。
藪入りとは、正月十六日と、七月十六日のことで「地獄の休日」です。
1月16日は、藪入りの日であるとともに「初閻魔」と呼ばれる閻魔様のご縁日です。閻魔様のご縁日は毎月1日と16日。その中でも1月16日のご縁日は初閻魔と呼ばれ、閻魔様をご本尊とするお寺では御開帳が行われます。
7月16日お盆の時期は、霊が里帰りして地獄にいないので、地獄番の鬼もお休みです。その頃に畑に耳をつけると、ゴーッという地熱の沸くような音がするそうで、地獄の蓋が開いて霊が飛び出してくるので、仕事をしてはいけない日とされました。
藪入りの日を「閻魔の賽日」といい、「地獄の蓋が開き亡者も責め苦を逃れる日」であり、「罪人を責めていた地獄の鬼さえもこの日は休むから、人も仕事を休む」と考えられました。
絵図でも鬼たちも横になってくつろぎ、釜ゆでの釜もこの日はひと休みです。漫画を見ているような鬼もいます。
図の上では、お釈迦さまが説法をされているところです。